オーダーニットで世の中をわくわくさせるということ

センケン新聞20150909

先日、繊維業界の業界紙「繊研新聞」さんに僕のインタビュー記事を掲載いただいた。

インタビュー内容に関しては、是非一度読んでいただきたい。
記者の大竹さんは僕が熱っぽく話した沢山のことを、丁寧にまとめなおしてくださった。ありがたいです。

インタビューに限らず、打ち合わせや商談など、自分の考えややっていること・これからの展望などを話す機会には事欠かない。
そうやって誰か自分以外の方に、自分のことを説明することを繰り返していくと、自分の伝えたい事をスムーズに伝えられる言葉ややり方をだんだんと覚えていく。

はじめのほうの話はやはり洗練されていなかったな、と今思い返したりする。

そうやって、先のことを考える難しさを思い知るのだけど、こればかりはトライアンドエラーを繰り返すしか無いと思っている。

そう、話を本筋に戻すと、今改めて「チューズニットをはじめた理由」を考えてみている。
”改めて”というのは少し語弊があるな。。。はじめた理由は”常に”考えているから。

でも、やはり僕の中での”はじめた理由”も洗練というか、あるべきカタチになってきていると思う。

例えば最近、テーマをみなおした。というか、”テーマ”はブランド立ち上げの前から常に自分の中にあったが、それを改めて言葉にした。

テーマは「日本のアパレル製造業が世の中をワクワクさせる」ということだ。

そしてこう続く。

「日本のアパレル製造業が世の中をワクワクさせる」をテーマに、ニット製造を生業としてきた我々がギフトシーンやコミュニケーションの分野にも踏み込んだまったく新しいアプローチで、ニットで世の中をワクワクさせる。

これがテーマと我々のステートメントだ。僕の目指すゴールでもある。父の工場と一緒に何かをしたいと思った時からずっと、このテーマは頭の中にあった。
でも改めて今、言葉にして、客観的に眺めてみると、とてもクリアになった。

チューズニットというブランドは、このテーマを実現する為の1つの方法だ。
ニットのオーダー方法(選び方)をいろいろなカタチで提供し、それ自体をブランドのストーリーに組み込むことで、今までアパレル製造業、つまりファクトリーが提供できなかった領域まで踏み込んで、ブランドを取り巻く人たちとつながる。

日本のアパレル製造業はとてもジリ貧だ。これはまた別の機会に掘り下げるが、この大きな流れは”淘汰”の過程だ。
ここで生き残れなかった工場は、当然、淘汰される。それはそうあるべきだとか、そうあるべきじゃないとか、そんなレベルの話ではなく、とても大きなとめられない流れだ。

そんな中で、淘汰を免れ、適応するには工場は何をすればいいのだろう?

僕はそこをなんとかしたい。
今まで通りのやり方で生き残れるところはとてもわずかだ。ならばそれ以外の工場は、少しカタチを変えるか、”淘汰されるシステム”自体、ルールを変えていくしかない。
本質的に、工場が生き残っていく為には、、、
そんなことを考えるとき、僕はさっきのテーマにたどり着くのだ。製造業はもっと前に出て、”メーカー”になっていかなければならない。ブランドになっていかなければならない。ものをつくるだけではダメなのだ。

その答えとして、いまのチューズニットのカタチが、100%だとはまったく思わない。
ただ、「オーダーニットで世の中をワクワク」させることはまだまだできると思う。

先日同じ世代の百貨店の人間と話していたときに、「もっと僕らもどんどん外の血をいれていかなきゃ、行き詰まってしまうんです」と心底危機感を持っていた。
そんな人たちともっと仕事がしたいし、僕らだから提案できることもあるだろう。

 

オーダーニットで世の中をワクワクさせるために、まだまだやれることは沢山ある。

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